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「…覚悟は出来ています。
ここに来た時から…」
やはり良江の意志は揺らぐ事はなかった。
「…そうですか…わかりました。
後…先程の話を蒸し返す様で申し訳ないのですが…妹さんは…」
先刻の話では途中で話を止めてしまい最後まで聞いていなかった。
しかし、良江の先程の様子から察するに残酷な結末なのは見えていたが…。
「…妹は…消えてしまったその日の夜に…
首のない遺体として返って来ました…」
そう言ってゆっくりと瞳を閉じる。
微かに手が震えていた。
「首のない遺体として、ですか…その後も首は…」
「…見つかっていません」
だとすれば、犯人が所有している可能性は大いにある。
遠夜は少し考えこんでからこれから依頼を遂行するにあたって一番重要な事を聞いた。
「その犯人に心当たりはありますか?」
良江の表情が一瞬引きつり、唇を噛み締めた。
「………あります。
…妹が通っていた高校の教師に…」
「そう思われるのは何故ですか?」
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