依頼者・佐久間 良江

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「よくその教師から家に電話がかかっていたんです。 最初は特に私達も妹も何とも思っていなかったんですが…あまりにも頻繁に電話がかかってくるので…」 「電話の内容と言うのは伺った事はありますか?」 しかし、いくら学校の教師とは言え一生徒に対して頻繁に電話をしてくる事自体おかしい様に思う。 「…最初は、たわいない内容だったそうです。 学校での様子や勉強に関しての…。 でも、ある時を境にその電話がなくなって…」 「無言電話が続く様になった…?」 「はい…」 大体、話は見えてきた。 犯人像、犯人がどうやって妹さんの姿を消したのか…、そして――… 犯人は人間では有り得ない力を持っていると言う事 遠夜は良江にはわからない位の薄くとても冷たい眼で微笑った。 人外の力を持っているなら自分達にとっては好都合だ。 心置きなく… 殺れる――…! そんな思考すら感じとれない人当たりの良さそうな微笑みで遠夜は話を続けた。
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