依頼者・佐久間 良江

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「では、その教師の名前はわかりますか?」 「あ…いえ、名前までは… 姿を見た事はないので… 妹も…何故か、その教師の名前を教えてくれなくて…」 「そうですか…」 「あ…でも…手掛かりになるかどうかはわからないんですけど…」 そう言って、鞄の中から紙を取り出した。 「これ…家に届いたあの手紙なんですけど…」 遠夜は良江から紙を受け取り中を読むとそこには例の文字―… 『後10日』 その文字はパソコン等で打たれた文字ではなく手書きだった。 これだけあれば探すには十分だ。 「では最後に…契約の証としてこちらに名前を書いて頂けますか?」 「はい…。 あ、あのお金は…」 「お金は結構です。 その代わりに依頼者の方にはそれ以上の代償を背負って頂く事になるんです」 「…あの、大変不躾な事を聞くんですが… 鞍馬さんは、何故こういった仕事をなさろうと思ったんですか…?」 確かに、お金を取らないのであれば何故こんな危険な仕事をしているのか…。 第三者からすれば疑問に思うだろう。
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