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「…そうですね。
…私は…私達、復讐代行屋に身を置く者は皆―…
人にあって人にはあらぬ者
異能を持ちます」
「異能…?」
とてつもなく突拍子もない話だが…妹が目の前で消えてしまったのを体験していた良江には多少の驚きはあったものの何故か納得出来る気がした。
「はい。
一応、企業秘密なので詳しい事は言えませんが…私を含め、ここにいる者は過去に大切な人を奪われました…。
それが原動力になっているんです」
「…そうですか。
あの…よろしくお願いします」
遠夜の言葉に何かを感じとったのかそれ以上、追求する事はなく静かに頭を下げた。
‥‥‥‥‥‥
良江を入り口まで見送り部屋まで戻って来た。
そして、机に置かれていた紙を手に取り隣の部屋に呼び掛ける様に声をかけた。
「真那、仕事よ。
こっちに来て頂戴」
…しかし、呼び掛けに答える者はいない。
「…仕方ないわね。
また寝ているのかしら」
小さく嘆息し、肩をすくめて隣の部屋に向かう。
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