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隣の部屋に入ると大きなソファに猫の様に丸まって寝ている少女がいた。
「あら…また、可愛らしい寝方しているわね」
小さく微笑み少女の側に寄って再び声をかける。
「真那?仕事よ。
起きてちょうだい」
少女の肩を僅かに動かすが一向に起きる気配はない。
「…仕方ないわね」
そう言って少女の耳元にある言葉を囁く。
「起きないと…プリン食べちゃうわよ?」
その瞬間、少女の瞳が勢いよく開かれサッと身を起こした。
「ダメ…!…プリン…真那のだもん…」
眼に涙を溜めながらそう遠夜に訴える。
余程好きなのだろう。
「嘘よ。泣かなくても真那のプリン食べたりしないからね」
優しく頭を撫でながら少女の隣に腰を降ろした。
少女も眠気から完全に覚めたのか遠夜の隣で気持ち良さそうに頭を撫で続けられている。
真那と呼ばれた少女―…
年の頃は8歳位で髪は肩の辺りで綺麗に切りそろえられ日本人形の様で愛らしい顔している。
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