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「始めまして。樋渡先生の代理を務めます。
鞍馬 遠夜と言います」
微笑みながら手を差し出す。
相手も特に警戒していないのか見た目通りの爽やかな笑顔で遠夜と同様に挨拶を交わした。
「僕は篠宮 祐一と言います。
体育教師をしているんですが…若い子相手に授業しているとつい自分も気合いが入ってケガしちゃうんですよね」
そう言って爽やかに笑う姿はおおよそ、人を殺す様には思えない。
だが…遠夜は確かに感じていた。
隠しても隠しきれない程の強力な魔力の気配を。
「元気な証拠で私は素敵だと思いますよ。
手当てはお済みですか?」
「あ、今来た所でまだ…」
「では手当てするので座って下さい」
遠夜も終始笑顔で対応する辺りはさすがである。
その笑顔に篠宮も顔を少し赤くしていた。
「こんなに綺麗な先生が来てくれて嬉しいですね。これだと保健室に通いつめる生徒が増えそうだな」
「そんな…篠宮先生ったらお世辞がお上手ですね」
言いながら治療をしていくとふと、沈黙が訪れる。
どうしたのかと思い治療の為、伏せていた頭を挙げると目の前にまで篠宮の顔が近づいていた。
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