標的・篠宮 祐一

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「…間違いないわね。 それにしても、まさか本当にあの悪魔…導師が…」 遠夜の表情はかなり険しくなっていて戸惑いも見え隠れする。 遠夜達の言う悪魔とは一体どんな力を持っているのだろうか…。 そして、遠夜とも少なからず因縁があるみたいだが…まだ、遠夜にはその事を他人に話す気はないようだ。 そんな暗い思考に落ちていると保健室の扉が開き女子生徒が入って来た。 「あら…貴女はさっき…」 女子生徒は先程、遠夜が保健室に来る迄に話しかけて来た生徒の一人だった。 しかし、女子生徒は入って来てもしきりに周りを気にして何処か脅えている、その様子に遠夜も気づき優しく声をかけた。 「どうかした? 良かったら座って話さない?」 「え、あ…。…あの…さっき…篠宮先生、来てましたよね…?」 そう言いながらもまだ女子生徒は辺りを気にしている。 遠夜も女子生徒を安心させる為に席を立ち、扉の外を窺った後、扉を閉め鍵をかけた。 さらに、声が漏れない様に特殊な結界を張り女子生徒に席に座る様に促した。
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