標的・篠宮 祐一

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「さっきから篠宮先生の事を気にしているみたいだけど…何かあったの?」 「…あの…こんな事、入って来たばかりの鞍馬先生に言うべきじゃないんですけど…」 「私の事は気にしなくても大丈夫だから良かったら話してくれる?」 この言葉に先程から言い淀んでいた彼女も意を決して話し出した。 「…さっき、篠宮先生来てましたよね? あの先生、危ないです!普通じゃない!あの人は…!」 喋りだした途端、せき止めてた物が決壊する様に声を張り上げる。 だが、遠夜は動揺せずに女子生徒を宥めた。 「とりあえず、まずは深呼吸をしてみて?」 「は?私は…!」 詰め寄る彼女を制すように眉間の前に手を翳す。 そして、彼女の眼をじっと見つめた。 「大丈夫…落ち着いて?」 「…………」 遠夜の眼を反らさずにじっと見つめていると憑き物が落ちたかの様に落ち着きを取り戻した。 「…すいません。私…」 「大丈夫よ。それにしても…篠宮先生とは何かあったの?」 「…私…あの先生にずっと、見られている様な感覚がずっとあって…家に電話が来たり…」 僅かに遠夜の表情が険しくなる。
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