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閑静な住宅街が建ち並ぶ中、一際大きな邸宅の地下で不気味にほくそ笑んでいる男がいた。
「ふっ…くくっ…。
あぁ…なんて素晴らしいんだろう…。
いつ見ても君達は美しい…」
男の視線の先に映る物―…
それは綺麗に並べられた大きなビンの中にホルマリン漬けされた人間の生首だった。
ご丁寧に頭髪は全て切られていて一見すると誰が誰か全くわからない。
だが、男はそんな事よりも頭から首にかけての部分が大切な様で不必要な物は排除しているようだ。
その証拠に眼球も全て抉りとられている。
「待っていておくれ…。もうすぐ…もうすぐしたら君達のお友達が増えるよ」
男は大きなビンに頬ずりをし慈しむ様に撫で回した。
その男の背後で不気味に蠢く(ウゴメク)影が揺れている。
すると、その影からしゃがれた様な不気味な声が聞こえて来た。
『ド、デスカナ?ワタ、シノサクヒ、ンダチ、ハ』
「あぁ…最高だよ…。
貴方を喚び出したのは間違っていなかった!」
男は興奮しているのか影に向かって劇団員の様に大袈裟に手を動かしている。
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