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行き交う人の波、様々な音が流れ今日も人は1日を過ごす。
そんな騒がしい喧騒の中から一角だけ妙に隔離された様にその場所は存在する。
復讐代行屋
オフィスビルが建ち並ぶ中やけに仰々しい看板に目をやる人間は何故かいない。
それもその筈。
見た目は他のオフィスビルと変わらぬ外観だがその看板は他の人間には見えていない。
ある一定の条件を満たした人間にしか見えない看板。
それが復讐代行屋。
そんなビルの入り口に深刻な面もちで立っている女性。
恐らく依頼者だろう。
しかし、看板の文字に躊躇い先程から入り口の前を行ったり来たりしている。
すると、自動ドアが開き中から女性が出てきた。
「ご依頼の方ですか?
宜しければ中へどうぞ」
年の頃は20代半ば、長い黒髪に端正な容姿、パンツスタイルのスーツを見事に着こなしていた。
その姿に依頼者であろう女性も目を奪われた様に立ち尽くす。
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