依頼者・佐久間 良江

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復讐代行屋などと言う仰々しい看板からしてこのように若い女性が出てくるとは思わなかったせいもあるだろう。 しばらく、依頼者であろう女性は入る事を躊躇っていたが小さく息を吐くと決心したのか出てきた女性と一緒にビルの中に入って行った。 エントランスを通り、エレベーターで3Fまで行き『依頼室』と書かれた部屋へ案内される。 「始めまして。私はここのオーナー兼調査員をしています。 鞍馬 遠夜と申します」 席に座ってしばらくしてから女性が自己紹介をした。 「では、早速ですがご依頼の内容をお伺いしても宜しいでしょうか?」 その言葉に今まで黙っていた女性も意を決して話し始める。 「…私、佐久間 良江と言います。 今日は、その…どうしても…こちらで叶えて頂きたい事がありまして…」 途中途中、言葉に詰まりながらも話を進めていく。 膝に置く手に力が籠もり微弱ながらも震えていた。 「…叶えたい事、ですか。 私共がどういう仕事をするかはご承知の上で…ですよね?」 「はい…」 「復讐代行屋…つまり、簡単に申し上げますと依頼者の代わりに標的を… 殺す事です」
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