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ゴクリと音をたててスープを飲み込んだママは、笑顔を作り
「あら、どうしたの?忘れ物?」
……パパだ!
体に力を入れながら振り向くと、父親が立っていた。
「波が悪い。これからボード見に行くぞ!サッサと食べて準備しなさい。」
父親は そう言うと、さっさと背を向けロビーに向かった。
「ママ…」
楽しい食事を邪魔されて、すがるような、そしてママを可哀想と思いながらママを見た。
「パパはワガママさんだよねぇ。そこがかわいいんだけど♪さぁ早めに済ませましょう。」
屈託ない笑顔をしてママはそう言った。
よくあるんだ…ママのこういうこと。
殴られるじゃん。僕をかばうのに気を遣うじゃん、あんなに悲しそうな顔するじゃん!
なのに何故こんな顔できるのだろう…?
僕はベーコンを一気に食べて
「行こうか。」
と力なく言って立ち上がった。
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