音の記憶 1

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地下鉄駅ビルに つながる通路の 小さな広場。 その男は、周囲の 嘲笑を意にも留め ないかのよう、能面 のような無表情さで ひとりバイオリンを 弾いていた。 金曜日の夕方。 季節は真冬。 めずらしく外回りの 仕事だったんだ。 帰社せず、そのまま 直帰。 改札を出て、コンビニ に向かった。 ホームリカーを切らし ていたので、今夜は ワンカップで済まそう。 店に入る前に、すでに そこは人だかりが出来 ていた。image=331206585.jpg
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