音の記憶 2

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会計を済ませて外に 出ると、ギャラリーは 30人ぐらいに膨れて いた。 40過ぎぐらいの黒服 の男が、バイオリンを 調律している。 「そうそう、面倒  なんだよな^^;  チューニング」 温度や湿度で狂うし。 一本の弦を張ったり 緩めたりすると、隣の 弦も音が変わる。 4本の弦を、すべて調整 するのは、意外に厄介 な作業なのだ。 しかし・・・前置き 長すぎ>< なおも入念に調律する 奏者。 几帳面な人なのだろう か。 そういう僕も、いつしか 開演を待つ聴衆の ひとりにまざっていた。 「寒みぃんだから、 さっさと始めろよ!」 乱暴な言葉も飛び交う。 やっとチューニングが 終わったようだ。 誰にとも無く一礼し、 黒服は静かに弾き はじめた。
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