音の記憶 4

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音の記憶 4

そういうつもり、では なかったのだと思う。 譜面台の前に、開いた バイオリンのケースが 置いてあった。 よくあるストリートパフ ォーマンスでは、終演 後に観客が見物料を 入れるのだろうが・・・。 タダ見、は気が引けた が、それにしても・・・ 先ほどの控えめ拍手と 言い、小銭を入れるの のもドンナもんだろう。 正直言うと、この男、 奏者とも少し話しが したかった。 そこで・・・バイオリン ケースに、さっき買った ワンカップを置いた。 「ハンガリー舞曲、  ステキですよね^^  これ、気持ちです」 「あ・・・ありがとう」 「よかったら、そこで 一杯やりませんか?」 と、向かい側のベンチ を指差した。
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