1‐1:始まりはいつも突然に

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「……凄いな……」  俺達はストックランド城へ戻る道を外れ、この国一番の貿易都市であるアーリッシュという街へ立ち寄っていた。 「……本当に凄いですねぇ……」 一緒に歩いている矢川もこの街の様子に驚いたようだ。 何しろ、この街の中には色々な民族衣装を身に着けた人達がいて、さらにゲームや映画でしか見たことがないエルフやホビット(?)といった人種まで、多岐にわたってごったがえしているんだから。 「よく、あんな無鉄砲な行動でこんな街にたどり着けたものですね~…」 ……って、驚いたのはそっちかい?! …とは言え、矢川がそう言う事に俺も異言はない。 何しろあのまま三人から逃げるように進路を途中で変えて、何も考えずに歩いただけでたどり着いちゃったんだからな(汗) 奇跡に近いかもしんない…。 「……まずは、宿をさがさなくっちゃな…」 ……とは言っても、俺は正直言って一文無しなんだよな~…(汗) いくら世界を救った勇者とはいっても、お金が無ければただの貧乏人。 目の前にある屋台の焼き鳥の串一本だって買えやしない……って……おい?!矢川!! 「美味しそうな焼き鳥だねぇ~…二本もらえる?」
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