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「……とはいえ、あまりお前にも世話にばかりはなれないしなぁ……自分の手持ちくらい、稼がないと」
ベンチのすぐ脇にあるくずかごに串とコップを投げ入れながら、俺は矢川に話した。
「そんな事気にしなくて良いのに?なんたって瞳ちゃんは今は女の子なんだし、宿代くらい男の僕がいくらでも払うよ?」
……ホテルに泊まる恋人同士ぢゃないんだからそのセリフは……(汗)
……それに……
「いくらお前がお金を持ってるったって、無限にあるわけじゃないだろ?稼がないといつかは無くなる……」
「あ、それなら大丈夫☆しばらくは銀行の僕の口座にお金が振り込まれる事になってるから♪」
……ぎ…ぎんこうって……?
すっかりこの世界の住人じゃないですか矢川司君……(驚きの汗)
「この世界に銀行があるって事にも驚きだが……そのお金は何処の誰から振り込まれるんだ?」
……まさか、魔族が魔王に、世界を取らせるための資金を用意してくれてる……なんて事だったりしたら、それこそ大変な話になってしまう。
「あ、それなら大丈夫。別に疚しい(やましい)お金でも、汚れたお金でもないから安心していいよ?」
矢川が自信たっぷりに笑顔で答えた。
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