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『血ぃ出とるやないか…。痛ないんか?』
痛いに決まっとる。
けど、光が痛そうな素振りを全然見せへんから、つい聞いてもうた。
黙って首を振る光。
出血がだんだん酷くなって、頬っぺたを伝い落ちた血が、黒い学ランに染み込んでいく。
『おい、危ないて!
光っ!』
……いつの間にか光は。
屋上のフェンスのてっぺんに居って、身を乗り出すようにフェンスに片足をかけてた。
向こう側へ墜ちたら……
死んでまうやん……
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