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††††
俺は、あの場所に立っていた。
学校の屋上。
辺りは真っ暗やから、多分夜なんやろな。
いつもの夢や、と。
そう思うと同時に、ごっつ胸が痛なる……
この後に起こる出来事は、夢やと分かっとんのに、リアル過ぎて胸くそ悪い。
ボタンを全部開けた学ランが、風を孕んで大きく膨らむ。まるで鳥の羽根みたいに。
『……謙也さん』
悲しそうな顔で、アイツが俺を見とる。
……光のピアスと耳たぶを、赤い血が濡らしている。
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