Frame Out【光謙光】

3/77
前へ
/83ページ
次へ
†††† 俺は、あの場所に立っていた。 学校の屋上。 辺りは真っ暗やから、多分夜なんやろな。 いつもの夢や、と。 そう思うと同時に、ごっつ胸が痛なる…… この後に起こる出来事は、夢やと分かっとんのに、リアル過ぎて胸くそ悪い。 ボタンを全部開けた学ランが、風を孕んで大きく膨らむ。まるで鳥の羽根みたいに。 『……謙也さん』 悲しそうな顔で、アイツが俺を見とる。 ……光のピアスと耳たぶを、赤い血が濡らしている。
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加