家出少年

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数時間前、僕は学校や家がいやになって家出した。 かばんは必要なものを入るだけ詰めこんだからぱんぱんだ。 貯金箱のお金をすべてもって家を出たが、所詮中学生のおこづかいでたかがしれている。 僕は一番遠い駅の切符を買って電車に乗った。 電車の中は、夕焼けで赤く染まっていた。 誰の顔を見ても怒って赤くなっているように見えるのは僕の自責の念なのか、考えるのも嫌になって思考を止めた。 電車に乗っている人達は最初は多かったが、駅を通り過ぎるにつれてだんだんと減っていった。 僕の降りる駅についたころには、太陽はもう見えなくなっていた。
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