家出少年

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とりあえず今日はあそこで寝ようと思い、迷わず公園に向かって歩く。 心も体も疲れ果てている。 公園にはいると、ベンチに人影があった。 こんな時間に人影なんて、おかしくないか? まさか、おばけとかじゃないよな? そんなことを考えつつベンチに向かって歩き続ける。 だんだんとベンチの人影がはっきり見えてきた。 どうやらおばけではないらしい。 足もちゃんとある。 膝の上に猫を乗せて、本を読んでいるようだ。 なぜこんな暗いところで、本を読んでいるのだろう。 真っ暗なのに、字なんてみえるのだろうか。 不思議に思いながら見ていると、その子がふと顔をあげた。 綺麗なつやのある長い黒髪に整った顔つき。 百人に聞いたら百人が美少女と認めるだろうと思うほどの綺麗な女の子だった。
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