売られてゆく仔牛

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「身長よし、体格よし、年齢…まぁ、大丈夫よね」 ボスがサティをまじまじ見ながら指差し確認をしている 何をしているのか聞きたくなかったが仕方ない…。私は出来るだけ感情を声に出さないよう気をつけながらボスに尋ねた 「急にどうしたんですか? サティが何か…?」 「勇者やってくれるって人が居なくてね」 やっぱりその話か 「本当は男の人じゃなくちゃいけないんだけど…サティなら『男の子』で通じるかと思って」 身長もそこそこ高いしね、と小さく付け足しているボスを見ながら、私は何も言うことが出来なかった… 確かに「勇者」が私たちの身内から出てくれれば助かるし、それは私も否定しない……でも、大切な人に行かせたくないというのは、私の我が儘なのだろうか… 何だか自分がとても狡いことをしているような気がした
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