売られてゆく仔牛

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「ね、サティ。そういう訳だから勇者やってくれない?我が社の為に!!」 笑顔でサティに迫るボス。 「会社の…為に…?」 サティが嬉しそうにボスの話に食いついている。 …案外これで良かったのかも知れない。 「そうよ、勇者になってこの世界を救うのよ、サティ!!」 「わ、私なんかでいいのでしたら!!このサーノベルト・ライン、いつでもボスの為に!!」 前言撤回!! やっぱりこんな一途な子を騙すみたいな真似、していい筈がない 「ボス!!ちょっと…」 待って下さい…と言い終わる前に、サティは私の横を通り抜け、仕度をするとだけ言い残して部屋の外へと消えていった。 「サザメちゃん、どうかした?」 ボスの平和な一言に、私は何も言い返せなかった…
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