仲間の職業=非戦闘要員

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私と熊の間の地面には小さな穴が空き、そこから少量の煙が出ている …どうやら威嚇射撃のようだ 「ユキエ…お前は下がってろ」 若い……男の子の声だった 熊はその声に反応するようにゆっくりと方向転換し、森の奥へと引き返していった …助かったのかな 少し安心し、声のした方を見ると、そこには2人の人間が立っていた 1人はライフルを下向きに構えた黒髪の少年 もう1人は長い金色の髪に麦藁帽子……印象は違うけど顔立ちは黒髪の子によく似ている女の子だった どうやら走って来たようで、女の子の方は肩で息をしていた さっきは「ユキエ」がどうとか言っていたから、あの子がそのユキエだろうかなどと考えていたら、急に声を掛けられた 「おい、お前…こんなところで何してる?」 熊が森の中に消えたのを確認してから、黒髪の男の子が話しかけて来た 助けて貰ったのだから、お礼を言おうと思ってたけど、そんな空気ではない様だった… ――…むしろ敵意剥き出しにすら見える 「お前…ユキエに手を出そうってんなら容赦しねぇぞ?」 そう言って黒髪の男の子は、私に銃口を向けた
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