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その日の夜
レインは草原の中心にある岩の上で横笛を吹いていた
カナンが来た
カナン:良い音色だな
レイン:そりゃどうも
カナン:何て名前だ?
レイン:悔やみ詩
自分の体内に入ったがために死んでいったモンスターに対したの悔やみを考えて作ったんだ
カナン:へぇ
カナンが岩の下に座った
レイン:サンからモンスターの力が使えるかもしれないことを聴いただろ
カナン:あぁ
レイン:恐くないのか?
カナン:別に
だってお前、使う気無いんだろ?
レイン:!!
カナン:交えればわかるよ
あんな真っ直ぐな戦いをする奴がそんなチートみたいなもんは使わないってな
それにあの時
お前は全て覚悟した目をしてた
レイン:そっか…サンが俺はユズが好きって言ってたよな
カナン:あぁ
レイン:あれ嘘
本当はユズとあったのも今日が初めて何だ
カナン:はぁ?
レイン:何でか知らないがユズの家に居る時にサンの奴がレインって名前を名乗ったんだとよ
まぁ、あの日は雨が降ってたし
三歳ぐらいだから名前を間違えたのかもしれんがな
だからユズとずっと過ごしたのはサン何だ
カナン:じゃあお前はどこで生きてたんだよ
レイン:…サカズキさんが持ってる雪山の山小屋でずっと暮らしてた
だからサカズキさんは俺とサンのことも知ってる
カナン:だったら…
レイン:一緒に住めば良かった
普通の奴ならそれですむ
だが俺はいつ暴走するかわからない力がある
そんな俺が人里で暮らせるかよ
ユズには真実を書いた手紙を部屋に置いてきた
嘘をついてごめんてな
俺が人を愛すなんて無理なんだよ
お前らはきっとサンが幸せにしてくれるよ
あいつは暴走の恐れがないくらいの量しか入ってないからな…
カナン:お前は…
レイン:俺は一生、独り身でいる…
その方が世界のためだし
何より俺自身が楽だからな…
レインがうつむいた
カナン:…そんなの
カナンが立ち上がってレインを見た
カナン:そんなのおかしいだろ
レインが好き好んでやったわけでもないのに力を恐れて孤独何て!
レイン:カナン…
カナン:ずっと独りなんて淋しさじゃねぇか
悲しいじゃねぇか…
何が楽だよ
お前、今の顔を見て見ろよ…
レイン:…
カナン:今のお前は凄く…悲しい顔してるぞ…
レイン:カナンお前…
カナンが涙を流した
レイン:…
その晩
レインは泣くカナンのために悔やみの詩を吹いていた
カナンが泣きやむまで…
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