プロローグ

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――――――――― ―――――― ――― 「ハァ、ハァ、ハァ」 老人は村中をひたすら探し回る。 切らした息を整える事も、額から伝う汗を拭う事すらも構わずに。 探し始めてどれだけ経ったのかは全くわからないが、いつの間にか空は白みかかっている。 それでも生存者は1人も見つかりはしない。 あまりに残酷な現実に老人はまたもその場に立ち尽くし、自身に突きつけられた現実を前に絶望するしかない。 ローブは汗を吸って重力を増し、息は切れ切れで咳すらこみ上げて来る程だ。 一晩中村を1人で捜索し続けたのだから無理もない。 体力的にも精神的にも老人は限界だった。 そんな時、 「────!───ア!」 ヒトか家畜か建材なのかすら判別のつかない何かが、先ほどの雨で消し切れなかった炎によりメラメラと燃える音、火や雨で脆くなった建物が崩壊する音、それだけしか聞き取らなかった自身の耳がここに来て初めて、生物の声を捕まえる。 .
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