プロローグ

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逸る気持ち抑えながら、老人はそのガレキの山にゆっくりと近づいていく。 「ホギャア! ホギャア!」 やはり先ほどから聞き続けた声がガレキから聞こえる。 声からして、赤ん坊のようだ。 「ここか!」 老人はそう言うとすぐに何かを呟き、それに合わせて光り出した宝石の付いた杖を掲げた。 すると、ガレキの山はふわりと丸ごと浮き上がり、別の場所に退かされて行く。 「……これは」 老人はまた思わず呟く。 だが、その呟きには驚きの他に、確かな安堵や喜びの感情が含まれている。 老人の視線の先にはまだ泣き続ける赤ん坊と、泣かずに眠り続ける赤ん坊が一人づつ小さなベッドの上にいた。 .
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