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ふたりは並んで一緒に歩いた。すっかり、夕暮れ模様の街並みになっていた。優奈は少しドキドキしてしまった。龍斗は遅くなったからということで、自転車にふたり乗りしていた。いわゆる2ケツだ。
「私、2ケツ初めてなんだよね」
「痛くないか? そうか、優奈は真面目だからな、俺は、よく奏太と2ケツするからな その席に女が座るのは初めてだな」
「じゃあ 私が1番?」
「そうだよ」
優奈は少し嬉しくなった。すると、虎太郎の言葉が頭をよぎった。“大切な場所か”優奈が龍斗に話かけた。
「ねぇ 龍斗の好きな人って誰?」
「まったく お前はせっかちだな。後で教えるって言っただろう」
「ヒントだけでも」
龍斗はしばらく考えて答えた。
「そうだな じゃあヒントでいつも俺の近くにいるかな」
優奈は理解したかのように自信満々に答えた。
「わかった やっぱ未花子でしょ? 図星?」
龍斗は若干あきれた顔をした。
「バ~カ よく考えな」
優奈は少しムッとして龍斗の背中をたいた。
「馬鹿って何よ。まったく」
龍斗は心の中で思った。
“こいつ意外に鈍いな”
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