第一章 ともだち‐前編

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 あの日、私が出会い頭に叫び声を挙げてしまった相手はオカルト部の部長だった。  名前は亡田慧という。  恐縮して謝ると、すぐに許してくれた。心の広い優しい先輩だ。  そして、会っていきなり私を拒絶したのがオカルト部の副部長である。  名前は小沢みさと というらしい。  いつまでも自己紹介しない小沢先輩を見かねた亡田先輩が教えてくれた。 ともかく私は、部活動体験を経て、私はオカルト部に入部した。  突然だが、オカルト部の先輩二人は美形である。  入学当初は知らなかったが、学校内ではかなり有名人らしい。  思いを寄せる人が何人もいるらしい、と志村が教えてくれた。  なんでも、吹奏楽部は人が多いので色んな情報が集まりやすいんだとか。  「おーい、月森。俺の後輩ちゃん」  亡田先輩はよくそんな風に私を呼んだ。  しかも場所を選ばないので私はよく居たたまれない思いをした。  表立って何かされた訳ではない。さすがに高校生にもなってイジメはみっともないと分かっているのか……。 だが、チクチクとした視線を感じる事はあった。
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