プロローグ

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 何がきっかけだったのか、私は昔からオカルトに関心があった。  テレビでオカルト特集がやればどんなに下らない内容でも必ず見たし、高校生になってから使い始めたネットで色々な怖い話を調べていた。  残念ながら私には霊感が全く無いらしく幽霊やその他諸々の存在を見たことはないが、「それらがいてもおかしくない」と私は信じていた。  「そーいう趣味があったのかぁ」  「うん」  佐倉に軽く頷いてみせる私。  それを見た志村が思い切り後ろに仰け反った。  「オカルトに興味あるとか……ヤバくね?」  引かないって自分から約束したのに、このボキャブラリー貧困女。  私は口を尖らせてそっぽを向いた。  そんな二人の仲を取り持つように佐倉は「まぁまぁ」と言ってから私に訊ねた。  「じゃあー今日の部活動見学はオカルト部に行くの?」  そういえば今日は部活動見学というイベントがあるんだった。  志村が部活についての話題を出したのもそれがあるからだろう。  さて、どうするか。
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