プロローグ

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 放課後。  私達三人は、それぞれ目当ての部活を見るために別れを告げるとバラバラに散っていった。  志村は吹奏楽部へ。 佐倉は昼休みに言ったとおり写真部へ。 彼女は「帰宅に入りたい」らし……いや。こんな言い方じゃないな。  「きたく部にはいりたぁーい(はあと)」らしい。  しかしそれは美郷高校に入った時点で叶わない願いだった。  生徒は全員部活に入らなくてはならない、というのが美郷高校の校則だからだ。  しかし志村が吹奏楽部とは意外だった。  彼女は目立ってこそないがかなり粗野な女だから、小学生時代からフルートをやっていたと聞いて私は驚きのあまりひっくり返った。―――その後、ど突かれた。 それはまあ、いいとして。 「オカルト部の部室はどこかなぁ」 確か部活棟にあると聞いたのだけれど。
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