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オカルト部部室は部室棟二階奥の部屋だった。
『オカルト部部室』というと壁に暗幕を張り巡らせ、その分厚い暗幕の切れ間から何か怪しいお香の匂いを漂わせているというイメージがあったのだが、案外そうではなかった。
部屋と廊下を隔てる引き戸は開けっ放しで、廊下からでも中の様子を容易に垣間見る事が出来た。
女生徒が1人、明るい日の差し込む窓を背にして椅子に座っている。
遠くから見ても分かる。かなりの美人さんだ。
私がその美しさに目を見開いた次の瞬間、彼女が臥せがちにしていた顔を上げた。
視線がぶつかる。
物凄い勢いで彼女が立ち上がった。
ツカツカと戸の前まで姿勢良く歩いてきて。
引き戸をピシャリと締めた。
「!?」
いきなりの拒絶!?
私は引き戸に駆け寄ってノックした。
「あの! 部活見学に来ました!」
「おかえりなさい」
「えっ?」
おかえりなさい?
「こっちに来ないで。帰って」
あ、なんだ。てっきりお帰りなさいって挨拶されたのかと……。
って待てよ。それじゃあ私に帰れってこと?
「なんでですかーーーーーーーー!!!」
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