第1章

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「さあ、巴。着替えていらっしゃい。仕事をしなくてはね」 樹は僕をそっと離して言った。 休憩室の時計は6時15分前。 「そうだね」 僕は休憩室を出て、着替えに行った。 僕の仕事は皿洗い。 それなのに、服装は大層なコックコート。 着替えて出てくると、樹はもう仕事をしていた。 優雅な仕草に、しゃきっと綺麗な姿勢。 何をしても格好いいものは格好いい。 格好いいんだけど…もうちょっとくっついていたかったな。 でも、うちに帰ったらいくらでも…。 そう思って頑張ることにした。
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