第1章

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樹は背が高くて、細身だから、トレンチコートとか似合いそうだなって思ってたけど、樹がクローゼットから出したのは、紺のダッフルコート。 意外だって言ったら、樹ってば 「この方が高校生っぽいでしょう?」 そう言って笑ったんだ。 正真正銘、高校生なんだから、「高校生っぽい」も何もないでしょうに。 後でわかったんだけど、樹はちゃんと黒のトレンチコートも持っていて、学校行くとき以外はそれを愛用しているらしい。 そんなことを思い出して、思わずにやけてしまった。 早く、樹に会いたい…。 携帯で時間を確認すると、その日はそこでタイムリミット。 仕方ないからクレセントへ向かった。
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