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あたしたちの心配をよそに、車はちょっと高そうなホテルに停まった。
部屋に入る。
『じゃあ先にシャワーを浴びてくるよ』
そう言って怪しげなおじさんはバスルームに入った。
シャワーの音が聞こえた。あたしはバスルーム越しにおじさんと喋った。
その隙にアヤが、スーツのポケットにあるサイフを見る。あたしたちでは見たことのない額の札束がきちんとマネークリップで止められている。
カードもいっぱい入っていた。
普通ならサイフごと奪って逃げれるだろう。
でもあたしたちは、1度もしなかった。怖いからとかじゃなく、オシゴトだと思っていたから。変なプライドがあったから。
アヤとあたしはまた不安になった。
シャワーが止まった。
アヤは急いでサイフを元に戻した。
『君達も浴びておいで』
優しいおじさんの声。
あたしとアヤは交互にシャワーを浴びた。
いつもならアヤがシャワーを浴びてる間、あたしは前戯を済ませている。
でも今回に限っては、バスタオル1枚巻いただけのあたしを眺めながらおじさんはワインを飲んでいた。
あたしがシャワーを浴びてる間もアヤは、ワインを飲んでるおじさんとただただ喋ってただけだったと言っていた。
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