オシゴト

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何が目的なんだろう… 2人ともそう考えていた。 あたしとアヤがバスタオルを巻いておじさんの前に座る。 おじさんは何も言わずにスーツのポケットからサイフを出して、あたしたち2人の前に10ずつ置いた。 『欲しいんだろう?受け取りなさい』 『じゃあしなきゃ…』 アヤがか細い声で言った。 『何もしなくていい。』 おじさんは言う。 あたしたちは初めて顔を見合わせた。 『何もしなくていいからそれを受け取って帰りなさい』 あたしたちは困った。それを受け取って普通に帰って、いつもみたいにそれを使うことが出来るのか… 何か裏があるんじゃないのか… 色んな気持ちが浮かんでは消えた。 『…あたしは受け取れません…』 本心から出たコトバだった。 『…あたしも…』 アヤも断った。 『何でかな?だって君達はお金が欲しいんだろう?』 にっこり微笑みながらおじさんは優しく聞く。 『…何もしてないのにもらえない…』 あたしは言った。 『…これだけもらって何もしないなんておかしいです!何かあるんですか?!』 アヤは怒っていた。 というより不安になったのかもしれない。 あたしたちをまっすぐ見て、おじさんは言った。 今までの優しい顔を急に真顔に変えて。
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