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『君達はセックスが気持ちいいかい?』
ドキッとした。
多分普通に聞いたら、普通に答えられる内容だろう。
気持ちいいです、って。
少なくともあたしは、はい、と言えなかった。アヤは分かんないけど…
『…』
2人で黙った。
おじさんは続けた。
『好きな人とセックスをして、気持ちがいい、愛してる、好きだという感情になれるのは生物の中で人間だけなんだよ』
あたしはそれを何かで読んだことがあった。でもそんなのきれいごとだと思っていた。
H=金だったから。
『…だから何ですか?!』
アヤはまだ怒っていた。きれいごとが大嫌いなアヤだ。無理もない。
『君はこの先例えばものすごく愛せる誰かが出来たとしても、セックスの度にお金をもらうのかい?』
『…それは…』
アヤはうつむいた。
あたしは、心のどこかをちぎられたみたいに急に寂しくなった。
今はいいかもしれない。けど、もしもあたしにもアヤにも本気で好きな人が出来たらお金をもらうんだろうか… Hが終わる度に、ありがとうって言うんだろうか…
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