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城の中に入った2人は、城主である武田信玄の部屋を訪れた。
佐助「猿飛佐助ただいま戻りました。」
信玄「うむ。して、どうじゃった?」
佐助「ご推察のとうり、上杉軍の勝利はみえているかと。」
信玄「そうか、やはりなぁ。」
佐助「それと…」
信玄「ん?なんじゃ?申してみよ。」
佐助「はっ。実は、不思議な者を見掛けまして、どの軍にも入っておらず、武田軍の戦力になればと思い、連れて参りました。」
信玄「ほぅ、通せ。」
佐助「はっ。」
佐助は信玄の了承を得て、零を中へ入れた。
零「………」
零は無言だった。
信玄の前に座り信玄を見た。
信玄「名は、何と申す?」
零「十六夜零」
信玄「零か、儂はこの甲斐を治めている武田信玄だ。佐助が言うには、お主は不思議な者だそうだが…」
零「はい。俺は、この世界の者ではありません。」
信玄「ほぅ。」
零「…俺は異世界から来た者です。」
信玄「異世界とな…」
零「はい。俺の居た世界では、あなた方はゲームのキャラクターです。」
信玄「ほぅ。では、なぜお主はこの世界へ来たのだ?」
零「…俺が…願ったから…」
信玄「願った?」
零「はい…」
信玄「なぜじゃ?」
零「………」
零はこの質問に黙ってしまった。
信玄「…言いたくなければ、言わんでよい。」
零「…いいのですか?」
信玄「言いたくないことを、無理には聞かぬ。」
零「…ありがとうございます。」
信玄「うむ。我が軍に入ってみぬか?」
零「…俺を信じるのですか?」
信玄「うむ。信じるとも。」
零「なぜ…会って間もない者を、信じれる…」
信玄「目を見ればわかる。」
零「目?」
信玄「そうじゃ。目を見れば、お主が嘘言っているか、真実を言っているかわかる。」
零「………」
黙りこむ零を見て、信玄は尋ねた。
信玄「どうした?」
零「信じてくださったのはいいですが、信玄公の力になれるかわかりかねます。」
それを聞いた信玄は、ある提案をした。
信玄「ならば、お主の力を儂に見せてみよ。」
零「…それは、信玄公と戦えと言う意味でしょうか?」
信玄「いや、儂ではない幸村と戦ってもらう。」
佐助「Σちょっ、お館様!?」
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