プロローグ

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「お前は人を殺すだろう。今も、これからも、この先も。それは血で血を洗い流す程の量になるだろう。いや、これでもまだ足りないかもしれないな… 確かにお前が好きで人を殺している訳でないのはわかっている。お前が人を殺すのは、お前に敵意を向ける輩と、お前の仲間に手を出す輩だけだ。それくらいは俺にもわかる。しかし、お前は人を殺し過ぎた。最早それは殺人ではない。只の殺戮に他ならない…。 人間は生涯に一人だけ殺すことを許される。それは自分自身を殺す為、つまりは自殺の為だな。しかし、お前はそれを破った。一度のみならず幾度もな…。 どんな理由があろうとも破った事実には変わらない。これは罪だ。だから俺はその罪を少しでも軽くする為に一つの呪いを残そう。この呪いはお前の力になるかもしれない。逆に苦痛になるかもしれない。この呪いは、お前、最上霧栖(モガミ キリス)を……」
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