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彼女が最後まで言う前に、彼は落ち着いた声で告げると乱雑に分けてある前髪をゆっくりかきあげた。
青い髪がさらりと揺れ、髪の隙間から赤い瞳が妖しく輝った。
「…ご名答」
赤髪の女はムスッと膨れてそっぽを向いた。
「…テラ。はりきるのもわかりますが‥ほどほどにしてください………いい子ですから」
彼はそう告げると彼女の頬に手を当て、軽くその額に口付けた。
「っな…!ちょ、またアンタは!!!」
テラと呼ばれた彼女は真っ赤になって額を手で覆った。
「おや…?少し、悪戯が過ぎてしまいましたか?」
くつくつと笑いながら男は慌てて離れるテラを見やった。
「~…っ、もう!!この変態吸血鬼!!!」
「フフ…光栄です」
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