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バン!!
「ちょっと!アンタあれ……て、何でいないのよー!!」
息急き切って走ってきた赤い長髪の女は、部屋の扉を勢いよく開けたものの目当ての人物が存在していないことに怒り、その場で地団駄を踏んだ。
それでも諦めの悪い彼女は、当然のように部屋にずかずかと入れば部屋を漁りはじめた。
「もーちょっと管理としての自覚持てばいいのに……あー!もぅっ、どこなのよ!!鍵!!!」
サラリと舞う綺麗な赤髪を片手でくしゃくしゃと乱し、妖艶に煌めく紫の瞳で辺りを見回した。
しかし、そんなことで捜し物が見つかるはずもない。
「だーっ!!!もう、キ…」
痺れを切らして求めていた人物の名を叫ぼうとした時、彼女は何ものかの手で口を塞がれた。
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