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―ガヤガヤ。
今は調理実習中。
メキョ!!
嫌な音が教室内に響いた。
下に目をやるとボウルに手のあとが付いている。
…底には穴が。
……やってしまった……。「んなっ……!!」
あ。
「あ、あんた、またやったの~~!?」
ちっ…。見つかったか…。僕は舌打ちした。
「今日で何回目よー!?」
友達の優子が叫ぶ。
「5回目…か?」
自分の記憶の中、数えてみる。
「バカッ!7回目よ!」
そ、そんなにか…!
そう、僕は物凄い怪力らしいんだ…。
まぁ、自覚はないが。
そういえば自己紹介がまだだったな。
僕は天川美琴音。
こんな喋り方だが女の子だ。
今、僕はこの怪力の事で悩んでいる。
まぁ、今に始まった事ではないんだか…。
この前だって…。
―体育の時間
「はい!次!天川さん!」
先生の笛が鳴る。
ピッ!
高跳びの授業だった。
僕は普通に跳んだんだ。
……普通に……………。
結果10m20cm
皆は口を開けて突っ立っていた。
そんな皆をよそに
見事に着地。
…こんな事、人生に何度あったことか。
思い出したらキリがない。
…第一、こんな力どこに
使えばいいんだ?
そんな事考えてると
もう下校の時間。
一人で歩いていると
「おい」
急に背後から聞こえた声は子供の声だった。
~続く~
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