不思議な感じ!

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「だって、登録してない色んな初アドから、メール入るんだもん!」 「誰、そいつら?!」 「アドレスの字並び見ると……学校の女の子たちだと思うのよね」 ほとんどが、悪気のカケラも無い、カップル誕生オメデトウメール。 返信の打ちようがなくて、途中で電源自体を落として 全件は、読んでいないけれど。 (田中くんと付き合うなんて、あたし言ってないっ!) 「うわ、そりゃ大変だ…… ママに、ケイタイ見られた?」 携帯電話を買ってもらう時、パパと約束した。 暗証番号を、勝手に替えないこと。 何かあった時は ママもパパも、自由にあたしの携帯電話を覗いても構わないこと。 高校入って、自分のバイト代で料金払えるまでは、しょうがない。 直接アドレス交わした友だちには、そのことを話してある。 「見られちゃったよぉ……キス」 「きすぅ?!」 廊下に盛大に響く、奈緒の声。 おしゃべりしながらいつの間にか、あたしたちは教室の前まで来ていて…… 「キス」の二文字に、先に登校していたクラスメートの耳が、バッチリ反応していた。 (な、奈緒っ!) 今更慌てても、もう遅い。
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