不思議な感じ!

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(だからって、ちょっともったいない……かな? あたしの、初めて全部……フツウの田中くんだなんて! ……急ぐコト、ないよね?あたし) 「もう、話しかけたりとかしないから……安心して」 でも、あたしの向かい側で この世の終わりみたいな、絶望的な風情の田中くん。 見ているだけで、胸がチクチクする。 「じゃあ……」 振り切るように、背を向けて、離れていく。 「田中くんっ!」 (あっ!口が……) 口が勝手に、田中くんを呼び止めていた。 「あの……下の名前、何て言うの?」 (やだ、あたしってば、テンパっちゃって、何言ってるの?!) 「えっ……有樹……」 (……田中、ユウキ……) 舌の上で、音を転がしてみる。 「田中、ユウキ……くん…… ココから……友だちとかから始めるんじゃ、ダメ?」 他に誰もいない、朝のグラウンドの真ん中で…… 二人とも動けずに、立ち尽くす。 リンゴーン…… 校舎から高らかに響く、チャイムの音。 「あああっ!じゅ授業ぉ!」
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