《Boy's-side》

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《Boy's-side》

「もう、話しかけたりとかしないから、安心して。 じゃあ……」 コクんなきゃよかった。 これじゃ……ただのクラスメートでも、いられない! クソ!誰だ! 相田に好きな男はいねえ、なんて言ったヤツ! 押せばイケる、って煽ったヤツは! 華麗にスタートをキメたと思ってたのに……フライングかよ! もう……終わり、だ。 「田中くんっ! あの……下の名前、何て言うの?」 「えっ……有樹……」 俺の名前も、知らないってか?! クラスメート以下じゃん! 最悪。 そんな、すまなそうに、ウルウルした上目使いで見んなよ! 勘弁してくれ。 でも…… ふわふわと優しいトコも、好きだった。 マジで、ホレてたんだ。 バイバイ……風亜…… 「田中、ユウキ……くん…… ココから……友だちとかから始めるんじゃ、ダメ?」 ……はぁ? ……?!…… うわああお! リンゴーン…… 鳴り響くチャイムの音。 それが、俺には……聞こえてたんだ。 スターターがニヤリと笑ってぶっ放す、発砲音にさ!
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