納得いかない!

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もっとドキドキして、嬉しくて、ちょっと照れくさくて…… を、初告白に期待していた、妄想癖のあたし。 (せめて相手が、転校してきた幼なじみの男の子!とか) そんな男子は、この世に存在しないけれど。 (やけに美形の生徒会長が、俺様告白してきた!とか) 会長は、色白で人の良い、ただの優等生だ。 田中くんは、陸上部だった気がする。 でも、大会だとか、インターハイだとか、派手な話は聞いたことはない。 でも、学校内で注目されるような悪い噂も、流されたことはないはずで…… 本当に普通の、田中くん。 (あたしも、普通だしね! ……って、ホントに、あたしかぁ?!) あたしは、別に綺麗じゃない。 学年で一番綺麗だと思っている、奈緒だって アイドルになれる、ってほどじゃないけれど。 それでも、あたしより、断然美人。 頼みの綱の性格だって、取り立てて…… 「……ぅぁ、ふうあ……」 隣の席の月ちゃんが、必死であたしをつついている。 「相田さん、訳して」 月ちゃんが、教科書を指さしてくれていて 平静を装いつつ、しどろもどろの和訳を、ひねり出す。 (田中くんの、あほ!)
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