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納得いかない!
「あ、相田。
さっき、田中が探してたよ」
「ほぇ?ふぁあい」
クラス男子の唐突なセリフに、あたしは間抜けな音を出す。
五月晴れのぽかぽか中庭で、お弁当を食べた後……
教室に戻った今頃、危うく春眠に捕まるところだった。
(……眠…い……)
今年はクラスの違う、奈緒と華絵。
二人のお喋りから離れると、睡魔と静寂がスキップしてやってくる。
(田中くん……何だろ?)
大して話したことのない男子の用件なんて
寝ぼけた頭じゃ、簡単に思いつかない。
やけにクラシカルな予鈴が鳴る。
(……トイレ、行こ)
あたしは、パタパタと、教室をあとにした。
(あ、田中くんだ)
女子トイレの外に出ると
真っ直ぐな廊下の向こうから、ちょうど、田中くん。
「ね、何か用?」
あたしは、濡れた手をヒラヒラさせる。
(シマッタ……ハンカチ、忘れた)
「うわあ!相田っ!」
(ヒドっ……相田風亜ですが、何か問題でも?!)
「いや、ここじゃ、ちょっと……」
モゴモゴ言う田中くん。
一緒にいる男子たちは、軽く叩いたり、つついたり。
ニヤニヤしながら、教室に入っていく。
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