思わぬ珍客 一匹と二人

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会長に一杯食わされた俺は、数日間鬱症状により店を閉める計画を立てていたのだ 俺が診断したんだ、欝なのは間違いない だが、奴はやって来る 情け容赦なく、慈悲も無く おまけに遠慮も礼儀も無いのが手におえない…… 「マスター、働いてください」 「絶対に働きたくないでござる!」 「お金が無くなって餓死しても良いのですか?」 「それは困る」 俺はフランソワによって数秒で現実を直視させられた それからというもの 捕虜収容所並の強制労働を こなし 今は居間のソファーの上で片道キップの幽体離脱をしかけている最中だ この数日なんだかんだで薬局が休みだったツケが回ってきたのだ 外から暖かい日差しが差し込んでくる、このまま眠ってしまいたいくらいの良い天気だ…… しかし今は我慢する、昼寝は飯を食った後だ
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