第一話

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「サクゥ~~!」 けど俺は最近こう思えるようになった。 神は“あいつら”のために俺を生んだんだって。 この世から、人の世から忘れられていく哀れな“彼ら”のために遣わされたんだって。 あいつの、今俺を呼びながら飛び乗ってきた、 こいつのお陰でな。 俺の上ではしゃいでる、こいつのお陰でな。 まぁ、こいつには絶対教えないけど。 「はぁ、だからサクって呼ぶな。サクヤと呼べって言ってるだろ?」 「いいじゃんか! 僕がどう呼ぼうと。 それよりサク! 腹減った! 飯~!」 喚く(ワメク)あいつを無視して空を見続けていた。 ついに待ちきれなくなったこいつは、俺の腹の上で飛び跳ね始めたので、俺は体を起こし立ち上がる。  
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