4/29、放課後

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四月も終わり、もう一年の12分の1が終わっちゃうのかと思いながら、僕は放課後、麻耶ちゃんがグラウンドで部活のテニスをするのを、教室のベランダで眺めていました。男子テニスと女子テニスはやる場所が違うのですが、今日は男子テニスはさぼります。すると突然、同じクラスの外国人、ナタリーが話しかけてきました。 「何みてんの、さかな」 彼は外国人だけど、日本には長い間いるので日本語ペラペラです。ただ、黒人なので胡散臭い所があります。僕はボーッとしているよといいました。すると彼は聞いてもいないことをベラベラ喋ります。 彼は産まれてくるまで女だと思われていて、女の名前をつけられてしまったとか、実は自分の祖先は藤原道長だ、その証拠に自分の母親の旧姓は藤原だとか、彼の胡散臭さがにじみ出てきていました。彼が日本人とのハーフらしいことを知ったときは、自分が日本人であることを後悔しました。 そして悲しい事に、彼は僕を気に入ってしまい、そして無理矢理メアドを交換してしまいました。
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